大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和29(れ)23 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人海野普吉、同中島武雄の所論は本件の裁判が甚しく迅速を欠き憲法三七条

一項に違反していることを主張する。しかしこの種の違憲の主張は、たとえ裁判手

続について不当に迅速を欠く点があつたとしても、直ちにこれを上告理由ありとし

て原判決を破棄すべきものでないことは、当裁判所判例の示すとおりである(昭和

二三年(れ)第一〇七一号、同年一二月二二日大法廷判決、刑集二巻一四号一八五

三頁参照)。されば本件における手続の遅延について事情を調査するまでもなく、

所論はこれを採ることができない。また記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべ

きものとは認められない。

よつて刑訴施行法三条の二刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のと

おり判決する。

昭和三〇年五月三一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

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